もし毎日、粗悪なジャンクフードを食べ続けて生活すると、我々の肉体は健康を損ねます。同じように、粗悪な情報を脳に送り続けていると、人間の神経回路もまた健康を損ねてしまいます。
情報があふれる現在では、肉体の健康状態を気遣うのと同じように、目や耳を通して脳神経に触れさせる情報にも気を配る姿勢が必要になりました。
我々は身の回りをデジタル機器に囲まれ、絶え間なくその情報を受け取っています。これらの情報はただ無秩序に溢れているばかりではなくて、受け取り手である我々がよりたくさんの情報が欲しくなるように、巧妙に設計されています。
企業はユーザの行動を意図したとおりに変えるために日々努力を重ねており、実際に製品を通してユーザの行動を変えてしまいます。
我々は元来、依存しやすい存在です。テレビやスマートフォンを眺めて無駄な時間を過ごしてやめられないとしても、それは個人的な意思の問題ではなく、刺激と快楽の繰り返しで中毒状態になってしまったからです。
情報を発信するテクノロジー企業が利用者を依存させて製品を使わせようとする姿勢には、容赦がありません。我々は利用者として無自覚に情報を受け取ることを止め、自らの「神経の健康」に気をつけて、工夫を始めなければなりません。