プライバシーは資産だ
私たちが提供するサービスを一覧して、「プライバシーの観点から問題のあるサービスが多い」と考えられた方がいらっしゃるかもしれません。 たしかにJAILERを使うと自室で作業する様子を見ず知らずの他人に見られることになりますし、CoinLockerを利用すれば、SNSのログイン情報を一時的にであれサービス側に提供してしまうので、友人との会話がのぞき見されるのではないか、と危険を感じるかもしれません。そこで本稿では、私たちのプライバシーに関する考え方を表明します。

プライバシーについて調べると、「私的な事柄をみだりに知られたり、干渉されない自由」という趣旨の定義がなされていることがわかります。なるほどプライバシーが問題となる場面について考えてみると、自宅の様子を本人の許可を得ずに撮影するとこれは盗撮になりますし、持ち主に無断でSNSのアカウントにログインすると不正アクセスとみなされます。こうした行為は、人の尊厳を傷つけるもので許されてはならないので、「私的な領域はお互いに大切にしましょう」という基本的な方針、すなわちプライバシーの観念が社会に誕生しました。

ここで強調したいことは、プライバシーとは「私的な情報はどんな事情があろうと隠さなければならない」とか「私的な情報を他人に漏らすことは無条件に悪だ」といった考えではないということです。反対にいえば、私的な情報というのは、状況次第では隠さずにむしろ積極的に利用できる場面もあるということです。とうぜん本人の意思に反してみだりに私的な情報を他人が利用することは禁じられるべきですが、本人が希望しておれば、私的な情報を利用して問題解決に役立ててもよいのです。

私たちはこうした観点から、「プライバシーは資産だ」という行動指針を掲げています。これまで支配的であったプライバシーの考え方では、私的な情報を「守る」ことが主眼にありましたが、それは一部のみを言い表しています。より正確に表現するならば、私的な情報は「管理する」ものです。管理することには、ただ盲目的に守ることだけでなく、自分の判断にしたがって積極的に利用することも含まれています。これを資産に例えて説明するのなら、ただプライバシーを守ることのみを考えている人というのは、あたかも自分の貯金をタンスにしまい込んでしまって動かさない人のようです。これでは利子もつきませんし、投資の好機も逃してしまうかもしれません。資産を有効に活用するにあたっては、タンス預金しておくだけでなく、様々な選択肢を検討して、自分の判断で運用します。

この「プライバシー資産」にも、お金の扱いと似た側面があります。ただ守るだけでなく積極的に使うことで大きな利益をもたらすことがあるのです。実際、プライバシー資産を使うことによって、デジタル生活の矯正には大いに役立ちます。当社が提供するJAILERの場合では、自宅での作業の様子をJAILERにのぞき見させることによって、自宅でも緊張感をもって作業ができるようになります。またCoinLockerを利用すれば、一時的にSNSアカウントにアクセスできなくなるので、気が散らずに勉強に集中することができます。

ただし、資産運用と同様に、プライバシー資産を積極的に利用する際にはリスクが伴います。そのため、当社がサービスを提供するにあたっては、利用者の皆さまにリスクについて十分な説明を心がけています。また、リスクがなるべく小さくなるように工夫もいたします。しかし最終的にサービスを利用するかどうかは利用者の皆さまの判断によります。当社のサービスについては、リスクについて自分の頭で考えられる人にのみ、使っていただきたいと考えています。リスクを評価するに際して、情報が不足していると思う場合は、問い合わせフォームまで具体的な質問としてご指摘いただけると、それについての解答や、解答できない場合にはその理由をお返事いたします。なるべく判断材料は充実させたいと考えておりますので、それぞれのサービスについて疑問点があればご指摘いただけると幸いです。